MANUFACTURING INNOVATION

エプソンの技術力が切り開く、
ロボティクスの新たな可能性。

プリンターやプロジェクターなど
情報関連機器で知られるエプソンは、
実は「ロボット」においても
業界をリードする存在。
その歴史は、1983年のスカラ(水平多関節)型
ロボットから始まった。
人間と共存しながら、
製造業の現場をはじめ社会のいたるところで
新たな価値を生み出す
独自のロボティクス技術は、
自動車、電気・電子、食品・医薬・医療など
幅広い分野でモノづくりを支えている。

#1「モノ」づくりを超える、「コト」づくりのためのロボティクス。

「見て、感じて、考えて、働くロボット」で、
社会を変えていく。

39年の歴史を刻む エプソンのロボット事業。

エプソンロボットの歴史は、自社工場で腕時計を組立てるロボット開発からスタートした。1983年に誕生したスカラロボットは、2011年から9年連続で世界シェアNo.1(※)を達成。独自技術を結集した6軸ロボットの登場は、さらに高精密な製品づくりの高速化を可能にした。パソコンやスマートフォンなど暮らしに身近なモノから、最先端テクノロジー分野のモノづくりまで、今やエプソンロボットは生産現場に欠かせない存在。革新的な技術でイノベーションを起こしたエプソンのモノづくりは、世界を変えるコトを次々と実現していく。

(※)産業用スカラロボットの2011~2022年の数量ベース出荷実績において(株式会社富士経済『2012~2023年版ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望』調べ)

「省・小・精の技術」に センシング技術を融合。

エプソンのロボティクス技術は、創業から磨き上げてきた省エネルギー、小型化、高精度を追求する「省・小・精の技術」に加え、高度なセンシング技術や最新の画像処理技術を融合したもの。エプソンが目指すのは、ヒトのように動き、感じ、考えるロボットによるイノベーションだ。今後、エプソン独自のロボティクス技術だけでなく、パートナーとも共創することで「生産性・柔軟性が高い生産システム」を追求し、生産現場でのモノづくりを革新する。

高いポテンシャルを秘めた 小型精密ロボット市場。

近年、急速に拡大している製造業向け組立・搬送系ロボット市場。なかでもエプソンが製造している小型精密ロボットは、世界的にも大きな社会課題となっている人材不足解消のカギを握り、ロボット市場全体としても年率8%ペースで成長が見込まれている。独自技術を活用したロボットのラインアップや自動化を実現するエプソン独自のモノづくりノウハウの提案を強化するため、マニュファクチャリングソリューションズ事業戦略を打ち出し、社会課題解決に向けた営業活動を加速させる。

グローバルに構築された ネットワークで世界をリード。

独自技術を軸に、商品の企画・設計・製造・販売・サポートまでを一貫して行い、プリンターやプロジェクターで構築した、世界に広がるネットワークをもっていることがエプソンの強みだ。開発・製造拠点と連携した販売・サポートネットワークは、グローバルに張り巡らされている。現在、今後のニーズの高まりによる事業拡大に向けて、より一層、基盤強化を推進。時代を進化させていくロボティクス技術と製品で世界の人々の生活をより快適にし、豊かな社会の実現にこれからもエプソンは貢献していく。

#2 独自のロボティクス技術でお客様の課題を解決へと導く。

MEMBER

  • 橋本 倫明
    エンジニアリング
    営業SBU 本部長
  • 養父 正男
    MD課 課長
  • 平林 俊浩
    技術課 課長

お客様の潜在的な課題を ロボティクスで解決

日本国内のマニュファクチャリングソリューションズ事業(以下MS事業)はエンジニアリングSBUを発足し、「推進課」「技術課」「MD課」の三課体制でお客様の課題解決を行っている。その最大のミッションは、日本の製造業を元気にしていくこと。2030年までには、約600万人分の労働力が不足すると予想されている。ロボディクスの技術を使ってこれを抑止し、労働環境を改善していくことが、社会全体の大きな課題となっている。
「その鍵となるのが、工場における生産現場の自動化です。たとえば、お総菜をつくる工場で、これまでは人手を介して行っていた盛り付けなどをロボティクスによって自動化し、そこにあった労働力を顧客サービスの領域で活用するなど、お客様の潜在的な課題を掘り起こし、解決策をご提案することが重要なポイントとなります」(橋本)

各社のニーズに合わせ 合理的な解決策を提案

多くの企業にヒアリングすると、次のようなことがわかった。「ロボットを導入することで、製造工程を自動化し、生産量を高めたいというニーズが多数見受けられました。たとえば、昼は人が製造し、それを夜中にロボットが検査し、翌日には出荷できる状態にするなどの流れがつくれないかというご要望もありました」(養父)
そうした課題を営業が持ち帰り、技術課に相談しながらどのロボットをどう活用し、課題に応えられるかを徹底的に検討する。「ロボティクスの醍醐味は、お客様のラインで手作業していたものをどうロボットに切り替えていくかのアイデアです。お客様のお悩みをお聞きしたうえで、現場も見せていただきながら、解決策をいかに合理的かつ的確に生み出せるかが腕の見せどころになります」(平林)

多くの「ありがとう」で 互いの信頼関係を深める

エプソンロボットのシェアNO.1はスカラ型ロボットだが、アーム型ロボットや力覚センサーなど、特徴的なロボットが採用されることも多い。「わが社のロボットの特徴は、嵌合やバリ取りなど、人の感覚を使わないとできない繊細な作業をスピーディかつ的確にできること。この技術を駆使し、お客様の課題をクリアするよう努めています」(平林)
なお、工場のラインが止まることは会社の生命線にも関わる大問題となる。それを防ぐため、メンテナンスや修理法など、お客様ご自身でもできるようお伝えしながら丁寧に対応するように心がけている。「その結果、本当にたくさんのお客様から『ありがとう』というお言葉をいただき、互いの信頼関係もより深まっています」(橋本)

生産プロセス改革の提案で 事業発展を目指す

エプソン販売の営業体制も大きく進歩した。「約15年間、大判プリンタなどの営業に携わり、チーム一丸となってお客様をサポートするノウハウを培ってきました。現在はそれを生かし、MS事業の営業・技術・マーケティングの基盤づくりに貢献でていることに喜びを感じています」(平林)
なお、通常の営業では基本的に商社や販売店とともに活動しているが、「お客様の事業所付近に商社や販売店の拠点がない場合でも、しっかりサポートさせていただきます。生産現場での自動化に関する困りごとでしたら全国どこでもご相談に乗り、課題を解決するお手伝いに尽力していきたいと考えています」(養父)
今後の成長領域でもあるロボティクス。「とくに食と化粧品と医療品の分野では、人手不足の解消が大きな課題となるでしょう。そこにロボットを導入して社会課題を解決しながら、日本の未来を切り拓いていきたいと考えています」(橋本)